紅葉の時期と色づくヒミツ、赤くなるのはモミジなの?

紅葉をイメージしたイラスト

秋といえば、紅葉狩りの季節ですよね。

狩りは昔の狩猟が由来で、イチゴ狩りなどにもつかわれますが『観賞する』という意味も含まれてきました。染まった紅葉を鑑賞することがモミジ狩りです。

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なぜ赤くなるの?黄色いのは何?ヒミツにお答えしつつ、モミジを楽しむ方法も紹介いたします。

 

なぜ赤くなるの?

赤く染まった紅葉のイラスト

赤い紅葉は『落葉樹(らくようじゅ)』というもので、いずれ葉っぱも落ちて行きます。

赤くなるというのは、木が来年も生き延びられるように、体内を健康にしている作業なんですよ。

 

実は夏季、緑色の葉っぱがありますが、こちらは太陽の青い光をすくすくあびて育っています。栄養もたっぷりだったはずなのですが、光の量が減ってくると、緑の成分(葉緑体)の分解作業をはじめます。

青々としたカエデの葉のイラスト

この分解作業の時、元気のなくなった葉っぱは木に有害な活性酸素を作ってしまいます。もちろん時間がかかれば何の力もかからず分解されていきますが、活性酸素は止めなくてはいけない。木の細胞が壊れて行ってしまうんです。

 

そこで緑の葉っぱが活性酸素にならないよう、材料の青い光をさえぎります。これが、葉っぱの中にあるアントシアニンという赤い色素の登場。

 

アントシアニンで葉っぱを赤く包んでしまうと、活性酸素はとまって、木の元気も戻り、来年に備えられるのです。

赤く染まったカエデの葉のイラスト

次の年にいきるための、養分をたくわえている段階が『紅葉』なんですね。『紅葉』がすばらしかった木は、来年も綺麗に染まってくれるはずです。

 

光が弱くなるとこの行動をはじめるのですから、残暑厳しい9月よりはもう少しあと、10月ぐらいが見ごろになるでしょう。

 

紅葉はモミジ?コウヨウ?

赤く染まった三枚のカエデの葉のイラスト

紅葉は通常『こうよう』と読みます。日本にでは『モミジ』と呼ばれることも多いのですが、実はモミジという木はないのです。

赤く染まる『こうよう』の大半は『カエデ』科の樹木です。

 

イロハモミジなど、葉っぱの切れ込みが深いものをモミジということもありますが、こちらもイロハカエデという方もいるらしいですね。ヤマモモジなどもあり、やっぱり赤くなるわけで、じゃあやっぱりモミジ? と思ってしまいそう。

 

でもこのイロハモミジも カエデ科カエデ属。親戚なんですね。

大半はイロハモミジなようですが、品種をみると圧倒的にカエデが多くなります。ややこしいですよね。

黄色のイロハモミジの葉のイラスト

英語では区別せずに両方をmapie(メープル)と呼びます。

 

 

赤い樹木以外にコウヨウが起きる?

黄色のイチョウの葉のイラスト

赤一色ではなく、黄色の葉っぱもあるのが美しい光景ですよね。

銀杏(ギンナン)という種子を落とす『イチョウ』は、カエデではありません。

とても繁殖(はんしょく)力は高いのですが、実は絶滅危惧(きぐ)種の「イチョウ綱」なのです。

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ギンナンは食べると美味しいのですが、踏んでしまったりするとすごい臭いを発します。そのために、繁殖には大切な種子なんですが、踏む前に掃除をしなくてはいけないのですね。絶滅はしてほしくないけれど、通勤時に銀杏を踏むのは嫌ですものね。

 

色が変わる草もあって、葉紅葉とも呼ばれます。色を変えるのはただ枯れていくのではなく、来年に対する準備。植物も冬への準備をするのですね。

 

緑のまま葉っぱがなくなり冬を迎えるものもあります。それぞれの木に理由があって、次の年への準備をしているんですね。

秋の紅葉の風景写真

山に紅と黄と緑が大きく広がる図は感動しますよね。春の桜も良いですが、秋の紅葉も、ながめながら美味しいお茶でもいただきたくなります。

 

名前の由来を楽しんで、草木染めでもしてみましょう

草木染めのイメージのイラスト

「モミジ」の名前の由来は、紅花で染めた布がとてもきれいな赤になり、その作業「揉み出ず(もみいず)」から来たものです。山に広がる赤に、まるで紅の布のよう、と昔の方は思ったんです。

 

山まで出かけなくても、街で落ち葉は集められます。

 

草木染めというのは、元気な葉っぱじゃなくてもできるのです、色は淡いですが、挑戦してみませんか?

 

実は乾燥させた玉ねぎの茶色い皮でもできてしまう草木染め。簡単なんです

必要なのは、葉っぱ、お鍋、水、ミョウバンを少々、あとは染めたいフキンなどです。

鍋のイラスト

1 穴の大き目な水きりパックに、10~20gの葉っぱを入れて口を閉じます。

2 ホーローかアルミの鍋に葉っぱを袋ごといれて、10分煮だします。お水は半分くらいでね。

3 葉っぱをとりだし、ぬるくなるまでさまします。

4 そこにフキンなどを入れ、弱火で5分煮ます。

5 冷ましてから取り出して、よく水洗いします。

6 水に5%のミョウバンをいれたミョウバン溶液をつくり、そこにフキンをいれます。これは色止めという作業です。

7 あとはよく乾かして完成です。

葉っぱの量や煮る時間、フキンやガーゼなど布によっても違うので面白いですよ。

 

押し葉にして楽しんでも良いですね

押し葉のイラスト

キレイな落ち葉を拾ったら、押し花(葉)にする方も多いですね。けれど時間がたつとポロポロしてくるし、扱いが大変。

 

これは小ぶりの落ち葉をたくさんあつめておいて、牛乳パック和紙でもつくりませんか?

少し手間にはなりますが、和紙にモミジが乗っているのはとてもきれいですよ。

 

乾燥させる時間のこともありますし、冬休みの宿題などにも良いかもしれませんね。もちろん年賀状にしても素敵でしょう。

 

秋はキレイな葉っぱも、木の実もたくさん。お子さんと公園などに出かけてみませんか?

 

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