社会人になれば、気にしたいのは「冠婚葬祭」のマナー。
かろうじてマネしても、実は間違っていることも、恥ずかしい思いをすることもあります。
今は「自分には関係ない」と思っていても、いつ呼ばれるかわからないのが「喪」の場です。
そもそも初盆、新盆とは?
亡くなられて、四十九日を超えたあとに最初に迎えるお盆が初盆になります。
初盆(はつぼん)新盆(しんぼん・にいぼん)は同じ意味です。呼び方は地域差のようですが、「初盆」が多いので、迷うなら初盆で。
四十九日を超えたお盆っていつ?と思う方もいますよね。よほどの身内でない限り、命日も覚えにくいものです。
もし、お盆休みに伺(うかが)う先が、初盆だったら…友人宅でもありえる話ですね。
計算は亡くなった日を含む7週後、なのですが、わかりにくいですね。お盆は毎年変わらないので、覚えてしまえば良いのです。6月29日以降に亡くなられた場合、初盆は翌年になります。(7月盆という地域は1カ月違って、5月29日です。)
「6月末ギリギリ」と覚えておけば良いでしょう。ただ、6月26日~29日に亡くなられていた場合、お盆期間に「四十九日」が来ます。伺う先が忙しくないか、配慮する必要があります。親族の場合は四十九日法要もありますね。
初盆、新盆の服装は?
四十九日をすぎていると「忌」あけしていますので、普段着で大丈夫です。そもそも四十九日までは、極楽浄土に行ってもらえるよう祈る期間です。
帰省先で初盆の場合は普段着で過ごしてかまいません。
お坊様が、お経をあげに来てくださっている間だけは、派手ではない服装にしてください。正座しますので、素足はマナー違反になります。服装は普段着でも、数珠(じゅず)は必要です。
友人宅でも普段着で失礼ではないでしょう。ただ、初めてお参りに行くということであれば、やはり派手ではない、落ち着いた服が良いと思います。数珠(じゅず)も持参しましょう。
仏行事で服装が大切なのは、法要(法事)の時になります。もちろん葬儀の時が一番大切になりますが。初盆の法要に呼ばれた場合は、きちんと御供物などを用意します。この場合は基本的に喪服になります。
お供えの金額は?親族・親兄弟・友人でどう違うの?
親兄弟の場合は、あなたは受け取る側の一員ですので、包まなくて良いです。渡す相手はお坊様で、「お布施」というものです。これは家長が用意します。
親族、友人相手の場合、お札を包むべきなのは、最初のお参りの時のみになります。(法要では開かれるごとに包みます)葬儀に参列しているなら、包まなくても大丈夫です。
金額は関係も大切ですが、あなたが「未婚独身か何歳なのか」で変わります。若くて未婚独身の場合、親族には3~5000円、友人には3000円といったところでしょう。
独身でもある程度社会的立場や年齢を重ねた場合は、万単位で包みますが、多くても30000円でしょう。
友人に5桁は行きすぎになります。夫婦の場合、親族になら連名で10000円。友人の場合は個人の関係ですから、3000円~5000円でしょう。
多少の地域差はあるかもしれませんが、周囲と金額がかけ離れないことも大事です。友人に関しては、お供えを用意するなら包まなくても失礼ではありません。
お供えですが「御供物」と書いたのしをつけます。金額は2000円程度で良いでしょう。
地域差はありますが、高価な果物の箱を送られる方はごく一部です。菓子折り、果物など、仏前に出してもおかしくないものを選びます。果物の場合、箱に直接のしをつけてもらって大丈夫です。
受け取ったら、蓋をあけて中身を見えるようにして仏前に置いておくのですが、中には開封しない方もいられます。その場合果物だと痛んでしまうので、わかるようにするのが良いでしょう。
悩むなら菓子折りがやはり無難(ぶなん)ですが、ご年配の方1人が残されている場合などはお茶などでも良いでしょう。
ご遺族にとっては、忌明けといってもまだ悲しい初盆です。遠方で伺えなくても、親族なら初盆に何か送ると良いですよ。通販サイトなどを利用して直接送ってもらう時は、くれぐれもお中元と間違われないよう注意しましょう。
ご遺族に対して、これからも見守っていますと伝える意味にもなります。何年も続けていく関係でしたら、お供えはやはり贈りたいですね。できたら手渡しではなく、仏前に案内してもらいましょう。
「お参り良いですか?」と聞かれたら、たいていは断られません。仏壇の横に置き、きちんとお参りし、手をあわせましょう。
マナーが大切なのは、葬儀と法要です。翌年以降のお盆には特別なことは行いませんが、初盆の法要は地域によって行われます。法要に参列する場合は、きちんとマナーを守りましょう。