ハロウィンというと、最近は仮装のイメージが一番にあがりますよね。
以前は子どものみを仮装させていたものですが、今では大人にもお祭りです。
普段はできない格好をしても大丈夫な日(限度はありますが)ですから、今年は何を着ようか、誰と何をしようか考えはじめている方もいるのではないでしょうか?
そもそもハロウィンとはなんなのでしょう? 由来をお伝えいたします。
カトリック教の大みそか
11月1日は、カトリック教の『万聖節(ばんせいせつ)』、諸聖人(しょせいじん)の日とも呼ばれます。聖人たちや殉教者(じゅんきょうしゃ)を記念する日です。
はじまりは8世紀、サン・ピエトロ大聖堂に聖人たちのための小聖堂を作り、祝日としたのが11月1日。
諸聖人の日というのはキリスト教というわけでもなく、プロテスタントは聖人を敬うことが廃止されています。なので正しくはカトリックのお祭り。
アメリカにも持ち込まれ、盛り上がっているハロウィンですが、カトリック教徒が少ないためにメインはやはりアメリカンなパーティ。
関係するのは呼び方なのです。万聖節は「オール・ハロウズ」と言い、その前日10月31日が「ハロウズ・イブ」これが略されて「ハロウィン」になりました。
古代ケルトのお盆?
万聖節でも11月2日は死者の日とされていました。古代ケルトでは精霊(セイレイ)が帰ってくる日、先祖の魂が帰ってくるのがこの時期とされています。まるで日本のお盆のようではないですか?
ただし「精霊」が来るために、帰ってくるのはご先祖様だけではありません。悪魔や魔女が街をうようよとさまよっているのです。
その悪いものにさらわれないようにするのが、仮装です。自分たちも魔女などの姿になり、目をくらましていたのですね。特に子どもを大切にするために、大人ではなく子どもの変装が多かったようです。
ハロウィンってなんで魔女とかばかりなの? なんでモンスターが多いの? という方。こういった理由から、『化け物になって身を守る』ためだったんです。
もちろん古代ケルトの教えですから、日本人としてお祭りとして楽しむためにどんな仮装をしてもかまいません。ただやはり、基本はモンスター。最近ではゾンビの集団が登場なんていうこともありますね。
東京ディズニーランドでは仮装しても良い期間があります。これはモンスターになろうというものではなく「通常、キャラクターに似た格好をしてはダメ」ですが、今だけは入場OKとされるもの。化け物の世界というよりは、好きなキャラクターの格好もできる、夢のお祭りだったりしています。
収穫祭もこの時です
この時期にヨーロッパ地方で多くとれた作物がかぼちゃです。一緒に供えたため「ハロウィンにはカボチャ」になりました。
もともとカボチャはお供えで、収穫を感謝する意味だったのです。
熟して大きくなるカボチャは、確かにこの時期が旬です。店頭でも飾りのような「おもちゃかぼちゃ」が売られるようになります。食べられない種類がほとんどですが、ユニークな形が多くてほほえましいですよね。
すごく大きなカボチャの重量をあてるクイズもあちこちでありますね。カボチャの大きさにはギネスもあり大会もあります。このカボチャ、本当に重いですよね、押してもビクともしません。
以前、仕事先でカボチャ重量あての担当になった経験から、ヒントをお教えします。カボチャの重量というのは、ほぼ人間の質量とかわりません。(基準は子どもの質量です。種の分少し軽いくらいですね)
なかなかあの形からは想像できないとは思いますが、このぐらいの人間だったら何キロだろう? と考えると、ニアピン賞くらいは狙えるかもしれませんよ。
当時ピタリ賞を出したのは、自分の体重を書いたという小学校高学年の男の子でした。
ジャック・オ・ランタンて何のこと?
カボチャがお供えなのはわかったけれど、なんで顔の形にくりぬくの?
もともとはアイルランドなどに伝わるもので、死後の世界に入れてもらえなかった悪い人(ジャック)が手にもつ灯りでした。材料もカブだったそうです。
死後の世界への道しるべとなっているために、ジャック・オ・ランタンを灯していると、善(よ)い霊が集まってきます。逆に悪いものは恐れて逃げて行くんですね。
つまりハロウィンでくりぬかれたカボチャは『魔除け(まよけ)』です。玄関先に置いて悪いものが家に入らないようにしているのです。
最近では簡単に掘ることのできるキットもあるようですよ。
トリック・オア・トリートの本当の意味は?
「トリック・オア・トリート」というのは、「お菓子かいたずらか?」って一般的には思われてますが、正確には「いたずらされるか、おもてなしするか、どっち?」って意味になります。
子供をおもてなしするという意味で、お菓子をあげるのが風習になったんですね。でも、子どものいたずらというとカワイイものですよね。
本当は悪魔が家を訪れて『お前は人間だな?』『これをあげるから許してください』というもの。
それが訪れてくるのは仮装した子どもで、渡すものがお菓子なために、ほほえましいお祭りになりました。(一応大人は怖がるのがマナーのようですが、かわいいものです)
日本では家を訪問して良いということまだないようですが、外にカボチャを飾っているお宅はウェルカムのサインとも言われています。それでもまだ、事前に大人同士での相談が必要ですね。
由来と理由を知った所で、さあ今年は何をしましょう。モンスターの仮装をしましょうか。カボチャを飾りましょうか。
1年に1度のモンスター祭りです、一緒に楽しんでみませんか。