夏休みの自由研究。
ドリルなどと違い、子どもの自主性に任せても、なかなか進まない宿題では?親も頭を抱えてしまいますよね。
最近では親が提案をし、子どもが試すパターンも多いのではないでしょうか。
画像や動画を気軽にとってあげられる時代なので、撮影してあげるのは良いことではあります。
動画サイトなどでも「ためしてみた」などをよく見かけるようになりました。大人になっても好奇心旺盛(おうせい)だと思いませんか?
子どもはもっともっと好奇心があるはず。できたら子どもがきちんと「考えて、感じる」研究にしたいものです。
テーマは何でもいい
金銭的に厳しいとか、大人が考えてもそれは無理という研究はもちろんあります。でもまず、何でもいいので身の回りで疑問に思うことはないか聞いてみましょう。
もちろん目の前の今いる子どもに聞いても、即答はできないでしょう。何かの疑問に気付かせる方法を、一部ご紹介します。
管理人のおすすめ
なんでだろうシール(疑問の多い時期の小学生におすすめ)
おおきめのラベルシールやふせんなどに、「なんでだろう」と書いて、10~20枚渡します。それを、朝起きてから夜まで、なんでだろうと思った場所に貼っていってもらいます。
忘れそうならメモも残したいですが、マメではない子には無理強いはさせないで。食べ物など消えてしまうものの場合は、画像をとってあげましょう。その全てのシールを、夜か翌日にチェック。何を「なんでだろう」と思ったのか書き出して、調べたいものを選ばせます。
もちろんここでは無理なこともあるので親も相談にのりましょう。簡単そうなものに誘導されても良いです。
たとえば?
なんでトイレの水はなんでかってにとまるんだろう。なんで暑いんだろう。なんで縄跳びがうまくできないんだろう。なんでこの漫画のキャラクターは、こんなこと言ったんだろう。なんでコマーシャルは流れるんだろう。
子どもにとって、大人が「は?」と思うようなこともしっかり疑問。トイレタンクのしくみを研究させるといいのです。逆に涼しくなる方法を研究させるといいのです。
縄跳びがなぜできないのか、どうしたらいいのか、動画もとって一緒に研究してあげるといいのです。読書感想文と似ていますが、自分ならこう言う。こう言ったら次にどうなるかを考えさせるといいのです。
最後は少し難しいですが、お金の流れるしくみを教えられるかもしれません。子ども向けのお金の本も今は多く売られています。私も昔は疑問だらけの子どもでした。
「JISマークって何をつくってる会社のしるし?」と聞いたり「タンポポコーヒーというものを知り、こっそり自作」したこともあります。
ごはんにおみそ汁などをかける実験はされたことある方もいるのでは?ひょっとしたらウチの子天才?と思うような疑問が飛び出るかもしれません。「1+1はなんで2なの?」というセリフのあるドラマがありましたが、それも疑問。
小学生には難しいかもしれませんが、中学生くらいならば、世の中には10進数ではない数字もあることを研究できるかもしれません。(2進数などもあります)
古本屋につれて行く(多少の文章なら理解できる中学生にオススメ)
新品の並べられた書店や、期限のある図書館はこの場合不向きです。実用書のコーナーが一番おすすめですが、ビジネス書、専門書、語学、芸術・・・得意な教科がすでにあるならそういったコーナーも。興味のある本を探させてみましょう。
古本ならきらびやかな背表紙や帯に惑わされることもありませんし、少し昔のことを研究するのも良いと思います。書店によってはそういったコーナーは人気がないため少ないかもしれませんが、少し大き目の古本屋にならあるでしょう。中学生程度なら本から研究はできます。
もっと知りたいと言うなら、ネット検索や別の本(新品だとしても)を与えても良いでしょう。
現代の子には理解もできない世界があったりします。ビジネス書は難しいものもありますが、○○が売れた理由、などという本もあります。日常英会話の本を選ぶかもしれません。趣味の世界の本を選ぶかもしれません。
簡単なことには疑問をいだかなくなってきている中学生には、多少本の中身を見て「へぇ、これちょっと面白い」と思うものを見つけてもらうことです。
ことわざが英語で何と言うか? 親でもわからないものを見つけるかもしれません。死語を特集した本すらありますからね。思いきり古いファッション雑誌も資料になることもあります。
ここまでやっても、子どもが何も感じないなら、親が案を出すことになるかもしれません。ただできるだけ、子どもでも「確かにそれはなんでだろう」と疑問に思えることが望ましいです。
一見簡単にできそうな料理や手芸。献立などならありきたりですから、よく食べるけれど作ると難しい料理を試してもらってみては?茶碗蒸しや、ポテトチップス。ジャムなど。
できるはずなのにできない、できるまで繰り返す。失敗を反省する。これが研究です。手芸も、石鹸やキャンドル制作は定番ですが、親の案なのは明らか。
ミニチュアハウスを全て自作するなどは面白いかもしれません。男の子にはドールハウスは無理でも、コンビニ店内や飲食店店内をミニチュア再現ならできるでしょう。
飛びぬけるなら、「お化け屋敷に入った僕」を研究したっていいのです。表情を撮影し、このときの心情を振りかえらせるといいのです。「こうだから、こう思った」はその子の意見で、研究結果です。2度入れるなら2度目の心情も変わるでしょう。
切り口と縦展開がポイント!
興味のある研究テーマができたら、切り口は楽なものです。先生もタイトルだけで、何をしたんだ?と引き込まれるでしょう。疑問をなかなか思いつけなかった子は、構成も苦手かもしれません。楽しめた研究でも、結果を早く知らせたいと、短く残念なものになりかねませんね。
より良い研究発表にできる、順序だての方法です。例として、とても身近だけど夏休み程度にしか会わない、祖父を題材にしてみましょう。順序をきちんと組むのが、引き込まれる縦展開です。
①テーマ「私のおじいちゃん」
②ずっと家にいるので、じっくり観察してみることにします。
③予測します。
この予測が大切です。実験を始める前に、最後はどうなることか、考えさせる。(これによって違いにも気付きますし、文章の苦手な子には文字数かせぎになります)
「いつもテレビばかり見ているおじいちゃん。お酒が好きみたいです。私には優しいですが、あんまりしゃべらないので、何が楽しいことかは知りません。きっとテレビが一番楽しいんだと思います」
④予定通り、1日を観察します。気づいたことはメモしておきます。
「釣りの新聞をみていました」「私におかあさんそっくりだなと言いました」「ごはんではお漬物が好きみたいです」「おばあちゃんのことは、かあさんと呼びます」
⑤2日目は、おじいちゃんにインタビューしてみます。
「おじいちゃんの昔の仕事を聞きました。おばあちゃんと出会った話を聞きました。お父さんが生まれた時の話を聞きました。私が生まれた時の話を聞きました。一番好きなことを聞いてみました。一番楽しみなことを聞いてみました。これからしたいことを聞いてみました。」
・・・ごく一般のご老人といっても60歳程度だとは思いますが、ここの内容に大差は無いでしょう。ただ、子どもは初めて聞く話が多かったと思います。これをまとめます。
「元気で長生きしてほしいと思います。」
・・・ここで終わるのが普通の自由研究です。差の出る自由研究はこの先になります。2つめの「疑問」です。(あるいは挑戦)終わろうとしている子どもに聞いてみましょう。
「どうしたら元気で長生きしてもらえるかな?」どうしたらいいのかな?子どもも考えますが、大人だってわかりません。
「喜んでもらえることができたら、元気がでるんじゃないかな? おじいちゃんに何かプレゼントしたらどうかな?」
2つめの研究は、子どもには研究の意志はもうほとんどないでしょう。ここでは親が背中を押してあげても良い段階まできているでしょう。「何が好きそうだったか」「何が欲しそうだったか」
高価そうで無理なら「手作りのものあげようか。」たとえばここで、一夜漬けでも、「おじいちゃんが好きなお漬物」を作ることにします。手紙を書くのが好きな子なら手紙を添えて。もちろんそのままでもいいです。
「元気で長生きしてね」という言葉と、「孫の作った好物の漬物」に、きっと喜んでくれることでしょう。その感想を、自由研究の最後に書かせるのです。
「きゅうりを切るのが難しかった」「おじいちゃんは笑っていました」「美味しいといってくれました」
1つめの疑問の結果から、更に踏み込むのも研究なのです。これが足されるだけで、より良い自由研究になるでしょう。
あとがき
大人になった今でも、私にも好奇心はあります。ルミファンタジアは有名になってきていますよね。仕組みを知りたくて作り方を調べました。ためしてみた、という意味では、最近は豆苗の再生を試しました。
研究に興味が出たら、いずれすごいことを発明するようになったり、専門的に学ぶようになるかもしれませんね。学生でもすごい発明をするということは、現実にあるんです。
あくまで子どもが主体。できるだけ子どもが疑問に思ったことを研究させてあげましょう。
ちなみに、夜更かしのできる夏休みのオススメは「星空」です。
7月27日 みずがめ座北流星群最大
7月28日 みずがめ座南流星群最大
7月30日 やぎ座流星群が最大
8月18日 はくちょう座流星群が最大
流星群は数日間出るので、その中でも一番多い日です。流れ星の数を数えたり、写真に撮ることができるか挑戦しても良いかもしれませんよ。