今年の敬老会は何をしたら良いかな…?施設のスタッフさんなどは毎年悩まれているのではないでしょうか?
地域の子どもたちの慰問(いもん)だったり、動物ふれあいも聞くけれど、時期が重なるために全部の施設では無理ですよね。
小さめの施設でも大きな施設でも、お年寄りに喜ばれることを考えてみましょう。
60年前の流行はなあに?
80歳以上の方へ向けるとしたなら、60年前のことを考えてみましょう。60年前はお年寄りも20代。青春真っただ中です。
とはいっても働くあなたはうまれていないだろう時期なわけですから、何が流行かわかりませんよね。ちょっと調べてみましたよ!
今から60年前を1955年とすると、戦後10年以上たっており、少しずつ社会が復活してきていました。
どんな時代かわからないですよね、知るためのオススメは「ALWAYS 三丁目の夕日」です。こちらの舞台は1958年(1作目)。この映画の中の「六ちゃん」あたりが、今の80歳くらいの方になるわけなのです。
もうひとつが「菊次郎とさき」で、こちらは昭和30年代、1955年~のお話になっています。ただしこちらは、ご存じの通り、北野たけしさんも両親“菊次郎とさき”もフツーの人ではありません。お年寄りの皆さんにDVDなどを見ていただくのは良いかもしれませんね。
どちらにしろ、頑固(ガンコ)者の男親と、働き者のお母さんが多いという時代だったようですね。そういった方が上司に多いわけですから、仕事についても大変だったでしょう。
のちに東京タワーがたったり、東京オリンピックが開催されたりしていますが、皆さんが30代などになられてからですね。移動が楽ではなかったため、ラジオなどで情報を聞いていたかと思います。
「六ちゃん」は想いを寄せてきていた幼馴染から高価なブローチをプレゼントされます。やはり時代は違っても当時の若い子だってきちんと恋愛をして、流行のものに敏感でした。
映画にも海外の物が入ってきたり、色恋の複雑なものやサスペンス、ホラーもありました。この時点でゴジラは2作目。「侍ジャパン」という映画もありました(野球ではないです)。
ですが一般家庭では、1955年はまだまだラジオでした。紅白歌合戦が6回目で、こちらもラジオ放送になります。青春はラジオということになりますが、今のように常に音が流れている生活ではないようです。電気がまだまだ貴重で、必要な時に聞くという程度だったのでしょう。
青春時代を思い出す!オススメ出し物
ついつい、ご年配の方を相手にすると、落語や時代劇と考えそうですね。ですがそういった物語の背景は明治時代より前のもっともっと昔の話、サムライ時代です。好きな方は好きだと思いますが、そうでもない方もいるわけです。
実際に落語もブラックジョークが多く、好みが分かれます。落語も芝居も、内容が良くても、大きな声でゆっくり話してほしいお年寄りには難しいでしょう。
さきほどの時代背景と流行唄を思うと、この年代の方は実はリズム感が良く、華やかなものも嫌いではありません。
チャチャチャやマンボなど、単純なリズムで楽しい歌が流行っていました。ヨーロッパ方面の音楽も入ってきています。(マツケンサンバが流行した理由にもうかがえますね)
そう考えるとアフロヘアだって受け入れてもらえますし、「サタデーナイトフィーバー」の世界観で良いのですね。アフロに、腕はヒラヒラ、マラカスを鳴らすのはありだと思います。雪村いづみさんが代表格ですが、江利チエミさん、沢村みつ子さんなども人気がありました。
男性はカッコ良い「波止場(はとば)の男」に憧れていたようですね。マドロスやちょっと悪い雰囲気の男性がよく歌詞や映画にあらわれます。音楽のジャンルはブルースや、ギター1本のものでしょう。
三橋美智也さん、森繁久彌さん、コロムビア・ローズさんなど。ペギー葉山さん、ディック・ミネさんなどもカッコ良い男代表でした。女性は明るく元気で、男性はニヒルにカッコよく、という時代だったようです。
正統派の歌も流行していましたが、私自身も生まれていないため、当時のどの年代の方にどのジャンルの歌が好まれていたかははっきりとはわかりません。
菅原都々子さんの「月がとっても青いから」美空ひばりさんの「素適なランデブー」などがこの年にリリースされています。菊池章子さんの「岸壁の母」が長くヒットしていますが、内容的に現在の90歳代の方向けかもしれません(お母さんが息子の帰りを待つ歌です)。
無理に時代のある歌や童謡などを選ばず、その当時流行っていたものを歌ってみるのも面白いかと思います。古い時代のレコードも、復刻されて売られていますよ。
ギフトのオススメはこれ!
物よりも楽しい時間を贈りたいものです。
私のオススメは、似顔絵です。会話が楽しくて明るい絵を書いてくれる方を探してみると良いのではないでしょうか。アマチュアでも学生さんでも、探せばたくさんいると思います。
ご年配の方は若いスタッフに囲まれて写真をとることは決して嫌ではありません。ただし、孫に囲まれている写真ではないのです。施設先でとった写真は、自分の年齢を感じてしまうことでしょう。
なので、顔色よく明るい顔に仕上げてくれる似顔絵がオススメなのです。
どうしても写真しか方法がないならば、女性には華やかめなメイクをしてあげましょう。素敵な帽子とストールもあると良いですね。呼べるならば訪問美容師さんも頼みたい所です。
男性にはテンガロンハットやハンチングなどしゃれた帽子が良いでしょう。他にパイプやアコースティックギターなどの小物があると喜ぶかと思います。
時代背景を理解して、当時の憧れだったものを思い出すのも笑顔を誘います。
食事はやはり縁起良いものを選びたいですね。栄養士さんしだいになってしまいますが、赤い魚やお蕎麦も良いです。
笑顔は長生きの秘訣です
笑ってもらうことが何より大切です。同年代向けの宴会芸とは違います。ウケを狙うのではなく、思い出で笑顔になってもらいましょう。
ご年配の方の青春時代を考えるのは、見ていないし資料も少なくて大変です。けれどすぐそばに、体験した方がたくさんいませんか?
何が好きだったか聞いても思い出せない方が多いと思いますが、当時の音楽や流行、憧れは体が覚えていることでしょう。